コーヒーのロースティングカラー

chouette torréfacteur laboratoire

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コーヒーのロースティングカラー

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2018/03/01 コーヒーのロースティングカラー

見た目ほど危ういものはない

ライトローストとダークロースト

 

コーヒーの個人のお客様からの予約注文やWholesaleのご注文様に、ロースティングカラーチャートを作成しました。

これをもとにすれば、お客様がご希望をより伝えやすくんるのではと期待しております。

 

昔から思っていましたが、作ってみて再度確認することになったロースティングカラーチャート。何を思っていたかと言うと、「色によってカテゴリー分けする指標って結構危ういな。」と言うことです。

 

色によって分ける指標は昔から使われているのですが、コーヒー豆による区分けではなく、焙煎という工程をメインに考えた指標なんです。言ってしまえばコーヒー豆の事は脇に置いといて、人の手で行う作業を区分けしているんです。

 

焙煎を経験したことのある方ならわかると思うのですが、コーヒー豆ってそんな単純に「おいしい」が引き出せる訳ではないんです。普通は、同じコーヒー豆で数パターンのカラーバリエーションを作ります。そこから1番風味特性が豊かなポイントを見つけて焙煎するポイントを見つけ出し決定するのですが、人間主体の考え方でchouetteでは採用していません。

 

chouetteで大事なのは、素材が変化するタイミングです。なのでコーヒー豆によって違うのは当然ですが、変化して1番風味豊かなポイントがそのコーヒー豆のロースティングカラーということになります。「単純に逆なだけじゃないか。」と突っ込まれそうですが。大事なのは人間主体ではなく、もっとコーヒー豆に寄り添っていかなくちゃいけないという事です。

 

注意したいのが、chouetteの考え方は1つのおいしさであってお客様にとっての「おいしい」が必ずしも同じとは限らないことです。嗜好品を扱う以上、満足して頂くためにロースティングカラーチャートの作成が必須だったので、もう1周年も間近なこのタイミングで作ることになりました。お客様から遅すぎると怒られそうです。そして出来上がったものがこちらです。

ロースティングカラーチャート

言うほど大それたものではございません。お客様に理解して頂きたいのが、chouetteのロースティングカラーは大きく2つに別れていると言う事です。Light roastとDark roastの2種類です。

 

先に言っておくと、おいしいポイントはコーヒー豆に対して1つではないんです。何度か波の様に風味の際立つ山がやってきます。ほとんどのコーヒー豆(全てではありません。実際にchouetteで扱っているエチオピアのゲイシャ種はLight roastのみです。)で、そのポイントのピークは2カ所あります。

 

そのポイントは、1ハゼと2ハゼです。

 

焙煎をしたことのある方ならすでにご存知の「ハゼ」と言う現象が起こるのが目安です。

 

ハゼというのは、コーヒー豆を加熱していくとコーヒー豆の内圧と外圧に差が生じます。その圧力差に耐えきれなくなった時にコーヒー豆がパチッと音を立てて膨らみます。これがハゼです。ハゼは2回あるとされていて、1回目のハゼは先に説明した圧力差によるもの。2回目のハゼは内部組織が壊れる音だと言います。ちなみに幻とされる3回目のハゼもあります。一般的に言われる1ハゼの温度が180℃前後から始まります。2ハゼは200℃前後。3ハゼは220℃くらいでしょうか?200℃を超えてくると発火してしまう可能性が高くなってくるので、専用の器具を使って安全を確保しながら焙煎を行ってください。

焙煎チェック

chouetteの焙煎は低い温度でコーヒー豆が変化する事が特徴的です。よく焙煎機による個体差があるという事を言われるのですが、実際に別の焙煎機を使用してもchouetteの低温焙煎が通用する事は実証済みです。オープン前にいくつかの種類の焙煎機を試しましたが、全てで通用しました。マシンやメーカーによる個体差は確かにありますが、素材を主体に考えて焙煎する事が大切なので調整次第で可能だとわかりました。

 

一般的な認識のロースティングカラーチャートは、chouetteの焙煎に通用しません。今回作成したチャートを使用する事で、一般的な認識とchouetteのコーヒー豆を比較しやすくなりました。

 

 

ロースティングカラーチャートはなぜ必要なの?

 

ダークロースト

 

そもそもロースティングカラーの区分けが必要なのは、コーヒーを焙煎した時の風味の変化をわかりやすくする事や焙煎作業または焙煎豆を購入する際の指標になるからです。

 

風味の変化をわかりやすくするという事はどういう事?

焙煎が浅い状態から深い状態にローストを進めていく過程で、コーヒー豆の変化は大きく見てTasteFlavorの部分で傾向が出てきます。

Taste : Light roast  酸っぱい ⇔  苦い Dark roast

Flavor : Light roast  フルーティ ⇔  スモーキー Dark roast

 

8段階で別れていますので、どの位置に属しているかで傾向がわかるわけです。焙煎の一貫性のためにはどのカラーで焙煎するかは大事な事です。

 

chouetteのコーヒー豆で説明するとLight roastの場合、カラーで見るとシナモンロースト〜ミディアムロースト(コーヒー豆の個体差によりますので幅があります)。1ハゼが始まってから、もっとも風味が引き出されるタイミングです。

Dark roastは2ハゼが終わる頃。こちらも2ハゼ後、もっとも風味が引き出されるタイミングです。

 

ロースティングカラーは、専用の機械を使う事で正確に測定する事は可能ですが、焙煎中に測定しながらというのは不可能な話です。測定している最中にどんどん焙煎は進みます。目で見た情報もヒントになりますが、焙煎中の豆の状態や温度変化、ハゼるタイミング、香りといった様々な情報を総合してBestを引き出すのです。結局のところ、人間の五感と経験値しかないのです。だからこそ、手仕事による魅力があるのです。

コーヒーとコーヒー豆

chouetteの焙煎ではロースティングカラーは正直どうでも良いのです。素材のおいしさを表現する事が大切なので、昨日と今日では同じコーヒー豆でも焙煎は同じになりません。結果として、そのロースティングカラーになったのです。8段階のどのロースティングカラーであろうと素材の風味を適切に引き出し、おいしさを表現している事が重要です。

 

焙煎作業または焙煎豆を購入する際の指標とは?

人から人へ何かを伝える時には、具体的に比べられるものがあったほうが理解しやすいです。焙煎という技術にしてもロースティングカラーというモノサシがあったほうが伝えやすいですし、受け取りやすいです。お客様に対しても、視覚的モノサシがあればコーヒーの傾向を伝えやすくなります。実際にコーヒー豆を扱うお店では利用されてきました。

 

素材をメインにコーヒーを考えるchouetteでは、それが通用しません。ロースティングカラーチャートと比べてもカラーとコーヒー豆の変化が一致しません。「浅煎りでも甘さが引き出される」という表現を使っていますが、見た目でカラーが明るいコーヒーのフルーティな部分とコーヒー豆が変化した状態に一般的な感覚とのズレが生じます。これがchouetteのコーヒーのおいしさの幅です。

いろいろな種類のコーヒー

一般のお客様に説明するのは難しいので、今回作成したロースティングカラーチャートを活用していきたいと思います。

 

 

見た目に騙されないようにするために

 

ここまでで伝えたかった事は、ロースティングカラーは焙煎経過の指標であって、コーヒーのおいしさを測れるものではないという事です。おいしいコーヒーを焙煎したいと思ったら色で判断しないで下さい。「コーヒーが焙煎できた結果、カラーがわかった。」というのが、正しい順序です。

 

では、何を焙煎終了の基準にするのか。

 

コーヒー豆の香りが最大限に引き出される瞬間です。これについてはこちらのブログを参考にして見て下さい。

コーヒーらしさとは?−どうすれば素材の美味しさを表現できるのか?−

 

 

焙煎中は、コーヒー豆から漏れてくる情報をしっかりと汲み取り、焙煎中のコーヒー豆にとってより良い環境を作ってあげなくてはいけません。ストレスを受けずに焙煎される事で、低温でのコーヒー豆の変化に繋がります。焙煎終了のタイミングを見極め、適切な状態で取り出されたコーヒーを人はおいしいと感じます。

焙煎豆の確認

焙煎についてのブログはこちらにまとめております。よろしければ。

【How to roast】

 

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